「いてっ!」


私の手を離して両手で頭を押さえた。


柚が殴ったみたいだ。


...暴力はだめよ、暴力は。


「やめろ鳴川。晴が困ってるだろ」

「いってて...ちょ、今のひどくない??ね〜翠ちゃん」

「自業自得。早く席に戻りなさい!」

「ちぇ。はいは〜い」


柚と翠から攻撃を受けて少ししょんぼりとしながら席に戻っていった。


「びっくりした...」

「ごめんね晴。なんか最近やたらと話かけてくるんだよね〜あいつ」

「そうなんだ。えっと...あの人なんて名前だっけ?」

「あれっ?知らないの?晴にも話しかけてると思ってた」

「あいつが晴に話しかけようとしたら俺がブロックしてきたからな」


柚がクイッと眼鏡を直した。

影でそんなことをしていたのか...。


「あはは、ウケる!柚過保護すぎっしょ〜。オカンじゃん」

「オカンではない。あいつはまだ信用できん」