『晴。好きだよ』







ゆっくり体から離れていった先生。



私は頭が真っ白だった。



『......え...先生...?』


『返事はいいよ。言いたかっただけだから』




そう言うと先生は私に背を向け歩き出した。


その後を慌てて追いかけ先生の車に乗り込む。


『......』


家に着くまで2人とも無言だった。



『じゃあまた塾でな。戸締り気を付けろよ』


『はい......』





1人残された私は、ずっと先生の車を見送っていた。