暦の上では今日から5月。
けれどクラスの大半の人の心は......冷えきっていた。
「まじかよ...」
「勉強しなかったからしゃーねーわ」
「最悪〜!お小遣い減らされちゃうんだけど〜」
「前回より上がってる!!やったぁ!」
「もう嫌だ死にたい......」
「はい、次は城木さーん」
この間受けたテストがもう採点されて返ってきた。
私も少し緊張ながら、先生から2つ折りの小さな紙を受け取った。
思い切ってバッと開くと、学年全体での順位が目に入ってきた。
「......18位だ」
今まで見た中で1番良い数字だった。
や...やったーーーー!!!
20位内に入ることが目標だったから、ほんとに嬉しい!!
今回は前の晩まで徹夜したり、けっこうボロボロになりながら受けたけど...上がっててよかった。
「晴〜!見て見てこれ!私すごいよ!!」
翠もご機嫌で話しかけてきた。
見ると、「309位」の文字。
「今までは良くて315位だったのに、すっごい上がったー!晴のおかげだよ!!」
ぎゅうっと抱きつかれた。
「いや全然だよ。ちょっとしか勉強教えてあげられなかったじゃん」
「そのちょっとでこんなに上がったんだよ!!晴すご〜い!!」
翠......ほんとに可愛い...っ!!
なんていい子なの!!
たとえその順位が「320人中」の順位だとしてもっ...!!
こんなに喜んでくれるなら私も心から嬉しい。