「わぁ〜!すっごく綺麗!」
キラキラ光るイルミネーション。
「走ると転ぶぞー」
ショッピングモールのすぐ近くで春のイルミネーションをやっていて、先生とやって来た。
桜の木につけられたたくさんのピンクの光。
動物の形になっている光。
お花畑ように色とりどりにしきつめられた光。
さまざまな光の粒に包み込まれて、夢の中にいるみたい...。
「うー、さび」
...後ろでなにか言っている。
ほんとムードがないなぁ。
「和泉くん!写真撮ろう!」
手を引っ張りパンダのイルミネーションの前で2人で並び、携帯を斜め上に持った。
「はい!カメラ見て〜」
「え、自撮り?この年で恥ずかしいんだけど...」
「まだ26でしょうが!」
私の顔の横でぎこちなく先生は携帯を見上げた。
......前から思ってたけど、意外と先生ってこういうの慣れてないんだよな。
もっと...なんていうか...女慣れしてるっていうか。
チャラチャラしてるかと思ってた。
顔が(ムダに)いいからモテそうだし。
そしたら意外と恥ずかしがり屋だし......ヘタレなところもあるし。