紙でできたコップから伸びるストロー。
そこから流れてくるお茶が、カラカラだったノドを潤した。
「......落ち着いたか?」
「...はい」
けっこう注目を浴びてしまいあのフードコートには居られなくなって、場所を移動した。
お店がたくさん並ぶ広い通路の真ん中に置かれてある、大きなベンチ。
いくつかあるうちの一つに私と先生は座っていた。
隣のベンチには小さい子供を連れた親子。
反対隣にはカップルが座っている。
「じゃあ、いただきまーす」
ハンバーガーチェーン店の包みを開け、大きな口を開けて頬張った。
口の中に広がるチーズとトマト、レタスにお肉。
やたら分厚いパンズ。
うん。美味しい。
どこへ行っても変わらない味で好きだ。
「......ったく。満足そうに食べるよな」
先生はクスッと笑って、ハンバーガーの包みを開けた。
「俺の奢りなんだからなんでも好きなもん食べろって言ったのに」
あむっと頬張る先生。
「これが好きなんです」
「安上がりだな」
「まあハンバーガーでよかったじゃないですか。ここで食べれるんですから」
「......それもそうだな」
私の隣で先生は食べ終わった紙をたたんだ。
「もう食べたんですか。はや」
「男だからね。晴はゆっくり食べな」
「はーい」
ぱくぱく食べる私を先生はじーっと見つめた。
「...食べづらいんですけど」
「本当にもう大丈夫か?」
「大丈夫ですよ」
今までもたまに、翠と一緒にいる時にああいうのに遭ったことあるし。