声がしたほうを見ると若い2人組の男の人が立っていた。

けっこうチャラチャラしていて少し怖い感じ。


「このへんで2人組の女の子見ませんでした?待ち合わせしてるんですけど会えなくて」


困り顔で聞かれ素直に「いえ見てないです」と答えた。


「そうすか?困ったなー。これからカラオケ行くんだけど」


「ドタキャンかよ!うわー最悪だわ」


嘆く男2人組。

......少し可哀想だと思うけど、私にはなにもできないんだから早くどこかに行ってくれないかな。


すると「お友達待ってるんですか?」と聞かれた。


......友...達......なのか?


いや、友達ではないけど......


......かと言って、絶対に彼氏じゃない!!



「えっと...友達?です」


「そうなんだー。じゃあさ、代わりに来ない?」

「...は?」

「その友達とさ、2人で。ちょうどよくない?」


なにがちょうどいいんだ。


「いや遠慮しときます。てか嫌です」

「そんなこと言わないでさ!絶対楽しいよ」


するとムリヤリ腕を引っ張られ立たされた。


「きゃっ!ちょっと...!」

「めっちゃ可愛いよねー。高校生?」

「友達も可愛いんでしょ?」


可愛くないわ!てか男だし!!


「...っやめて!行かないから!」

「まあまあ」

「後悔させないよー?」


着いて行ったら絶対後悔することは目に見えている。

けれどなかなか振り解けず、そうするうちに肩を強引に掴まれてグイッと引き寄せられた。


すごい力っ......!肩にくいこんで痛い!



「じゃあ行こっか」



嫌だ。


行きたくない!!




痛みと恐怖と悔しさから涙がにじみ視界がぼやけた。