ガラッ




「はーいみんな席つけ〜。授業始めるぞ〜」




面談の次の日。


初めての授業だ。


初回ということもあり、生徒20人くらいに対して先生1人の団体授業に参加した。


・・・・・・って!!


なんであいつなんだよ!!!



「じゃあ前回の続きからなー。テキストの32ページ開いて」





さくらだっ・・・・・・いずみ・・・・・・!!





覚えたくもないのに覚えた名前。


これから長い付き合いになるのだからしょうがない。



ああ・・・・・・なんで櫻田の授業なんだ。


陽子先生が良かった。


ぐすん。




「いいか?この公式は絶対覚えろよ。じゃないと応用がとけねーからな」


一番前の生徒が手を挙げた。


「せんせー、テキストと黒板の公式ちょっと違いますよ」


「その難解な公式を分かりやすく書くとこうなるんだよ。意味も分からず覚えてもすぐ忘れるからな。今から解説するが・・・・・・」





数学が特に苦手な私にとって、櫻田の授業は・・・・・・。


なんというか・・・・・・。


まあ、うん。



分かりやすいっちゃ、分かりやすい。


と言えなくもなくもない。


と、言えなくもなくもなくもない・・・・・・


・・・・・・ような気がす




「おい。なにブツブツ言ってんだ?」


「っ!!?」


ビクッ!


驚いてガチャンとシャーペンを落とした。