「......ひゃ!?」


突然先生の右手が伸びてきて、私の両手首をガシッと掴んだ。


まるで手錠をかけられたかのように拘束されてしまった私。



「せ、先生......?あの...」

「和泉」

「え?」


先生の空いている左手が、私の右頬にそえられた。




「名前で呼んでよ」



......な、名前?



「いつも呼んでるじゃないですか!」

「『先生』つけないで」

「......はあ!?」



なにそれ!!

なんで私が呼ばなくちゃいけないんだっ...!!



「早く」


両手首に力がこめられた。

ギリギリ痛くないくらいの力で握ってくれているけど......。




私の心臓は限界寸前だった。




先生の顔近いし。


やたら......ていうかムダに整ってる顔だし。



こっちすっごい見つめてくるし......。



「...っ」



...そんな真っ直ぐな目で見られると困る...っ!


パッと顔をそらそうとしたら、左手でまた強引に顔を向かされた。





ひやああああ......!!

ちっ、近い!!

もう先生の息、顔にかかりそう...!