24畳の部屋の右奥に位置するベッドの掛け布団も暖かなオレンジ色に替わり、その近くにある棚の上に乗ったオーディオのイルミネーションは暖色系になった。壁に取り付けられている34インチの薄型液晶テレビは大きすぎると思うのだけど、群は「羨ましいじゃねぇか。贅沢言うと、俺は自分の部屋のテレビを45インチにしてぇぞ」と以前言っていた。映画好きの彼ならではの考え方だ。
「そんな所に立っていないで座ったら?」
「あぁ、そうさせてもらう。」
群はそう言って、絨毯の上にあぐらをかいて座る。その何でもない仕草すら不思議と優雅だ。つい、我を忘れて見つめてしまう。言われてみれば、確かに暫く会っていなかった。そんなアタシの視線に気付いたのか、群は怪訝そうにこちらに目を向ける。
「どうかしたか?」
「……いえ、何でもないわ。ただ、アナタがここに居るのが久し振りだから。」
そう返せば、群はクシャリと音がしそうな笑顔になった。喉からクツクツと洩れる笑い声は、まるで夜の海のようだ。アタシの心は、その穏やかさに反して一度コトリと音を立てる。だけどその後は、波のゆりかごに揺らされて再び黙るのだ。
「そんな所に立っていないで座ったら?」
「あぁ、そうさせてもらう。」
群はそう言って、絨毯の上にあぐらをかいて座る。その何でもない仕草すら不思議と優雅だ。つい、我を忘れて見つめてしまう。言われてみれば、確かに暫く会っていなかった。そんなアタシの視線に気付いたのか、群は怪訝そうにこちらに目を向ける。
「どうかしたか?」
「……いえ、何でもないわ。ただ、アナタがここに居るのが久し振りだから。」
そう返せば、群はクシャリと音がしそうな笑顔になった。喉からクツクツと洩れる笑い声は、まるで夜の海のようだ。アタシの心は、その穏やかさに反して一度コトリと音を立てる。だけどその後は、波のゆりかごに揺らされて再び黙るのだ。