空が濃い藍色に傾いていく。新しい季節が始まろうとしているとはいえ、まだまだ夜は冷える。思わず、服の上から腕をさすった。

 いくつもの視線が見守る中、フランシスコがアタシと群を見やる。やけに凛とした声が、静寂に響き渡った。



『……つまらないミスでもしたら、すぐに同盟を解消するからな。』



 ――まったく、素直じゃないわね。心の中で呟いて、群に目をやる。その瞳は頷いて、“ほんとにな”と言っているようだ。



『ありがとな。じゃあ、近々正式に書類を送る。サインし忘れんなよ。』



 群はそう言って、彼の頭をクシャリとやる。まるでアタシやルイ君にするように自然な動作だったので少し驚いてしまったけど、これが群の良い所だ。フランシスコは、『ガキ扱いするな!僕はとっくに成人している!!』と喚いているが。



『なら聞くけど、お前いくつだ?』

『22だ。』

『ほら、ガキだろ。俺は24だ。』

『何?そうは見えないな。同い年かと思ったぞ。』

『おい、そういう時は“若く見えますね”って言うんだよ。』



 すっかりと打ち解けてしまった二人を見て、とても安心した。すると、おずおずとした声が聞こえてくる。