テーブルの表面を覆うラシャ(柔らかい布のこと)は紺色で、黒いテーブルとの組み合わせが落ち着いた空間を演出している。ちなみにウチのビリヤード台のラシャは、父親の好みということもあって赤だ。
いそいそと球をテーブルにセットするチェーロの人々を横目に、球を撞(つ)く棒、キューを手に取って先攻・後攻を決めようとする。と、『レディファーストで良いぜ』と我が恋人。随分と余裕をかましたいのね……面白いじゃない。
『そう……じゃあ、遠慮なく。』
チョークで滑りを良くしたキューを持って構えを取ると、室内に緊張が走った。多くの視線がアタシに向けられている。その中でも、対戦者の視線は一際射抜くように鋭い。その視線に負けぬよう、手球と標的(1番)とを強く睨んだ。
――深呼吸して、構えた指の隙間にあるキューを動かす。白い手球が撞かれる軽快な音、続いてそれがカラーボールの塊へ突っ込む音。上手く散らばってくれた球達に安堵の息をつく。とりあえず、ブレイクショットは上手くいった。
『へぇ……上達したじゃねぇか。前より球がバラけてる。』
『それはどうもありがとう。でも、ゲームはこれからよ。』
いそいそと球をテーブルにセットするチェーロの人々を横目に、球を撞(つ)く棒、キューを手に取って先攻・後攻を決めようとする。と、『レディファーストで良いぜ』と我が恋人。随分と余裕をかましたいのね……面白いじゃない。
『そう……じゃあ、遠慮なく。』
チョークで滑りを良くしたキューを持って構えを取ると、室内に緊張が走った。多くの視線がアタシに向けられている。その中でも、対戦者の視線は一際射抜くように鋭い。その視線に負けぬよう、手球と標的(1番)とを強く睨んだ。
――深呼吸して、構えた指の隙間にあるキューを動かす。白い手球が撞かれる軽快な音、続いてそれがカラーボールの塊へ突っ込む音。上手く散らばってくれた球達に安堵の息をつく。とりあえず、ブレイクショットは上手くいった。
『へぇ……上達したじゃねぇか。前より球がバラけてる。』
『それはどうもありがとう。でも、ゲームはこれからよ。』