『……お兄さん達、何するつもり?』



 何が起こったのか分からない風を装って問えば、男達は益々口角をつり上げる。あぁ気色悪い。寒気ではなく、“嫌気”が全身を包み込んだ。この虫けら達を早く退治してしまいたい。

 睨みつけてしまえばあっという間に事は片付くんだけど、それじゃあ面白くない。我ながらスリリングな性格をしてると思う。だから婚約者に「お前ってとことん面白いよな」と言われるのだろうか。面白いのは彼も同じだと思うけれど。



『ナニって……分からないの?意外だなぁ……』

『おい、もしかして処女じゃないか?こんな良いカラダしてるのに……世の中何かと間違ってるよな。』

『ほんとだよ。』



 いやいやいや、間違ってるのはアンタらよ。しかも勝手な憶測で物事を語らないでよ。そう言ってやろうと思った時――アタシは漸く、記憶の片隅にあったコイツらの顔を思い出した。怯える幼い少女の前でニタニタと笑っていた、この二人組を。

 そうと決まれば、後は懲らしめるのみ。アタシはスカートの中、つまりは太股に手を滑らせて、奴らを脅しにかかった。