港の隅に散らばっていた鉄の棒を拾い、奇声を発しながら怨霊の群れのように襲いかかってくる麻薬中毒者達。銃が何の意味も成さないことが分かったから、しまった方が戦いの効率も良いだろう。仲間達に視線を送る。アタシ達は素手で応戦することに決めた。
『おい兄ちゃん!遅ぇぞ!!』
余裕綽々でそう言いながら、目の前に現れる敵を、切るように動かす両手で次々となぎ倒していくグレイ。その俊敏な動きは、“銀のカマイタチ”という通り名そのものだ。
前後から挟み撃ちを仕掛けてきた男達に飛び蹴りを食らわせながら、アタシは三人の男に囲まれているガルシアを視界に捉えた。
彼は一人の男が持っていた棒を電光石火の速さで奪い、続けざまに三人の腹をドスンと突いた。コンクリートに倒れた男達を的確なツボを打って気絶させ、奴らが乗っていた車の後部座席に押し込むガルシア。“30分でケリを付けて下さいね”。彼の目はそう言っている。
30分――コイツらを全滅させて警察へ突き出すことが完了するまでにかかると見積もった、最大の時間。全滅させるまでならあと五分で足りるわよ。アタシはガルシアに視線でそう伝え、目前の敵に集中した。
『おい兄ちゃん!遅ぇぞ!!』
余裕綽々でそう言いながら、目の前に現れる敵を、切るように動かす両手で次々となぎ倒していくグレイ。その俊敏な動きは、“銀のカマイタチ”という通り名そのものだ。
前後から挟み撃ちを仕掛けてきた男達に飛び蹴りを食らわせながら、アタシは三人の男に囲まれているガルシアを視界に捉えた。
彼は一人の男が持っていた棒を電光石火の速さで奪い、続けざまに三人の腹をドスンと突いた。コンクリートに倒れた男達を的確なツボを打って気絶させ、奴らが乗っていた車の後部座席に押し込むガルシア。“30分でケリを付けて下さいね”。彼の目はそう言っている。
30分――コイツらを全滅させて警察へ突き出すことが完了するまでにかかると見積もった、最大の時間。全滅させるまでならあと五分で足りるわよ。アタシはガルシアに視線でそう伝え、目前の敵に集中した。