「――ルイの奴、ちゃっかり次にあるパーティーのチケットもらってたな。」

「なかなか会えそうにないものね。チケットを渡したってことは、彼女も少しはルイ君に気があるってことなんじゃないかしら。」



　任務が終わり、疲れた体をベッドに横たえる。後でサッとお風呂に入ってしまおう。ちなみに何故群が隣に居るのかというと、父が『本部はお前の優秀な部下達に任せて、今日は泊まっていけ』と言って彼を引き留めたからだ。



「俺達だってなかなか会えないだろ。その態度は少し淡白じゃねぇか？」

「ここ一、二ヶ月は頻繁に会っていると思うけど？」

「……お前は本当に面白いな。ことごとく俺の攻撃をかわしやがって。」



　アタシが寝そべる隣へ腰かけた群が、笑い混じりの艶(あで)やかな吐息をこぼしながら、ネクタイをそっと緩める。攻撃というより“口撃”だろう。本気で殺り合ったらどうなるかは分からないから。

　そんなことを思いながら、何処か影を落としたように見える群の姿を斜め左から視界に入れていたのだけど。何となく、すまないという気持ちになって、彼が着ているバーティカルストライプのスーツの裾を引っ張ってみる。