『ソニア落ち着け!いい加減冷静になるってことを覚えろ!!』

『お嬢様と皆様の前ではしたないですよ。すぐにやめて下さい。』



 二人に言われ、アンヘラを睨みながら肩で息をするソニア。服装が黒のスリット入りロングドレスで、隠された美脚には銃やナイフが潜んでいるのだから、一般人からすれば恐ろしいことこの上ないだろう。

 彼女を怒らせた原因である歌姫はといえば、『やだぁ、喧嘩っぱやい女って苦手ー。おばさん独身でしょ?』などと、火に油どころかガソリンを注ぐようなことを言う。これ以上はやめてくれ……そう思ったアタシ達スリートップが、すかさず止めに入る。



『ソニアさん落ち着いて下さい!美人が台無しです!!』

『ていうか、良い大人がみっともないわよ。いつものアンタはどうしたの?』

『お前の怒りはよく分かるが、この子に取り合ったお前も悪いぞ。とりあえず彼女の話を聞こうぜ。アンヘラ、話してくれるか?』



 群に言われたアンヘラは、不機嫌そうにプイッと顔を背けた。が、近くにあった鞄から何かを取り出し、押し付けるようにアタシ達に渡してくる。それは、茶封筒に入ったいくつもの写真だった。