「入ってみるか……?」
「ああ」

 入り口は、奥の階段を登った2階のようだ。
 
 拓海と飯島は、なぜか緊張していた。

 芝居を観るなどというのは、はじめてだったし、そもそも劇場といっても、しょぼくれた商店街の片隅にあるのだ。
 
 もしかしたら、怖い団体の集会かもしれない……

 それでもここまで来てしまったのだから、と拓海と飯島は、恐る恐る階段を登りはじめた。