「あ……っ」
 飯島が、勢いあまってクラスメイトの女子とぶつかってしまった。

「ゴメン!」
「ううん……」
 飯島が慌てて誤ったが、女子は顔もあげずにどこかへ行ってしまった。

「大槻……相変わらず、暗いヤツだな」
 飯島がつぶやいた。

「じゃ」
 そのスキを突いて拓海は飯島の横をすり抜けた。