放課後――

 飯島は、公演のチラシに書いてあった電話番号に電話した。
 それは携帯電話の番号で、電話口には劇団員の堀江涼子がでた。

 飯島の声は緊張のあまりうわずっていた。
 どもりはじめるし、何を言っているのか自分でもわからないほどだった。
 それでも電話口の堀江涼子は、優しく丁寧に対応してくれた。

 今日は公演が終わったばかり、ということで劇団はオフ日らしい。
 それでも入団希望者は大歓迎ということで、夕方に面談をしてくれることになった。