昼休みの終了間際を告げるチャイムが鳴った。
 拓海は、追いすがる飯島を振り切って、早足で教室へと歩き出した。

 ほかの生徒たちも、やや急ぎ足でそれぞれの教室へ向かっている。

「なあ、いいだろ?」
 飯島は、まだしつこく拓海に食い下がっていた。
 拓海は聞く耳を持たないとばかりに、無言で教室へと歩く。

「いい加減にしろって――」
 と、拓海が振り返ったとき――