拓海は、口に含んでいたコーヒー牛乳を噴出した。

「何でおれが劇団に入らなきゃいけないんだよ!」
 拓海は精一杯の抗議をした。
 意味がわからない。

「一緒に観に行った仲じゃないか」
「お前が強引に誘うからだろ」
「おれたち親友じゃないか」
「……」
 拓海は言葉をなくしてしまった。

 この強引な友人に、拓海はいつも振り回されてきた。
 こうなってしまっては、何を言っても聞く耳を持たない。