内心、拓海もいまだに鼓動がはやいままだった。

 興奮がさめていないのだ。

 飯島とは違い、拓海はあまりの衝撃に軽い放心状態に陥っていた。

 いままでに経験したことのないことだった。

 何をしても心が満たされることがなかった。
 小学生の頃は野球のチームに入っていた。
 中学の頃は、サッカー部に。
 どれも心の底から熱くなることはなかった。
 だから高校に入ってからは、どこのクラブにも入らなかった。

 毎日が退屈だった。