拓海にとって、それは意味不明のものだった。

 奇抜な衣装にところどころ盛り込まれる、これまた上手くもない奇妙なダンス。

 客席の反応もイマイチなようで、斜め前に座っている客など、はじまって間もないというのに、もう居眠りをしている。

 だが飯島は違っていた。

 拓海の隣に座っている飯島は、目を輝かせて舞台を食い入るように観ている。
時折「おお」などと感嘆の声をあげているほどだ。



 それは、拓海にも徐々に伝染していった。