「…ずっと探してたんだぞ、『あの時』から。」
「無駄な時間だよそれこそ。
金払わなくて良いから二度と私の前に現れないで、もう関わりたくないからさ、その為にわざわざこの場所に店を設けて姿を眩ましたのに…」
「これでもか?」
そう言って香音の前に大きな拳を突き出した。
閉ざされたと思っていたその拳は徐々に開かれていく。
開かれた手の中には小さな銀色の輪の様な物が姿を表した_指輪だ。
「以前御前が片身離さず付けていた指輪だ。
これだけ残された俺の気持ちはどうなる?
一生の形見にでもしろってか、良い加減意地張らずにそれ付けて戻ってきたらどうなんだ。
…もう良いだろ?
何も御前だけが苦になる事なんてないだろ。」
「…………」
自分の置かれている立場くらい、自分が一番分かっている
それなのになんで今更そんな言葉を掛ける必要がある?
そんな資格、微塵も無いのに…_
そう思うと鼻の奥が痛くなり、思わず熱いモノが込み上げてくるのを香音は必死でグッと堪えた。
瑠華も二人の会話を黙って聞いたまま、その場に立ち竦んだままだ。
「無駄な時間だよそれこそ。
金払わなくて良いから二度と私の前に現れないで、もう関わりたくないからさ、その為にわざわざこの場所に店を設けて姿を眩ましたのに…」
「これでもか?」
そう言って香音の前に大きな拳を突き出した。
閉ざされたと思っていたその拳は徐々に開かれていく。
開かれた手の中には小さな銀色の輪の様な物が姿を表した_指輪だ。
「以前御前が片身離さず付けていた指輪だ。
これだけ残された俺の気持ちはどうなる?
一生の形見にでもしろってか、良い加減意地張らずにそれ付けて戻ってきたらどうなんだ。
…もう良いだろ?
何も御前だけが苦になる事なんてないだろ。」
「…………」
自分の置かれている立場くらい、自分が一番分かっている
それなのになんで今更そんな言葉を掛ける必要がある?
そんな資格、微塵も無いのに…_
そう思うと鼻の奥が痛くなり、思わず熱いモノが込み上げてくるのを香音は必死でグッと堪えた。
瑠華も二人の会話を黙って聞いたまま、その場に立ち竦んだままだ。