馨の部署を受け持つ少し年の離れた主任は呆れた様子でその部下を見下す。

「客に怒鳴る店員が何処に居るんだよ!
この馬鹿!!」


馨はふてくされたまま目の前のオッサンの話を聞いている。


「…大して可愛くもねぇ癖に。」


ボソッと愚痴をこぼしたのが耳に入り馨は気付くか気付かないかくらいの程度に睨みつけてみせた。


「ま、次こんな事があったら只じゃ済まねぇだろうな。」


それだけ言うと口の悪い主任はすぐにその場を去って行った。


面倒臭そうに馨が溜息をつきながら売場に戻ろうとしたその時_




「お疲れぇ、瞳ちゅあぁん!(ハート)

今度呑み会行くんだけど行く?絶対行くよね?」

「も、やだ~!
御手洗(みたらい)主任ったら~!!」


先程の説教の時の態度とはまるで逆で目の前で可愛い子を口説き楽しそうにしているオッサンを見て馨は更に愕然とする。