数分してようやく二人は目的地に着いた。
その目的地こそ香音が営んでいる店『黒猫』である。
先程の外の街並みとは打って変わって今にも周りの暗闇に溶け込みそうなこの店はいかにも店主である香音が持つに相応しい店である。
と言っても、別に店自体が暗い訳ではい。
確かに古風な外見ではあるが悪魔でそれはそういう造りであるだけであって、この店のそんな雰囲気を好んでくる者達もそれなりに居る。
只、周りが少し暗過ぎる所為で独特な世界を生み出してしまっているのだ。
ガラガラ…
「帰ったよ。」
ふてくされながら店に戻った女店主に背を向けたままその人物は低い声で返事した。
「…一緒に居るのは金刺か?
何で連れて来た。」
「瑠華が先客だったから。
てか、音沙汰無しに図々しく人の敷地内に入ってきたアンタなんかに言われたくないんだけど。」
独特な雰囲気の店の中は酒と煙草の臭いで充満している。
よく知っている『男の臭い』も…
煩わしい臭いに眩暈がしそうになるのを堪える変わりに眉間に皺を寄せる。
先程出た表の『眩しい場所』の時よりも一層に深く_
その目的地こそ香音が営んでいる店『黒猫』である。
先程の外の街並みとは打って変わって今にも周りの暗闇に溶け込みそうなこの店はいかにも店主である香音が持つに相応しい店である。
と言っても、別に店自体が暗い訳ではい。
確かに古風な外見ではあるが悪魔でそれはそういう造りであるだけであって、この店のそんな雰囲気を好んでくる者達もそれなりに居る。
只、周りが少し暗過ぎる所為で独特な世界を生み出してしまっているのだ。
ガラガラ…
「帰ったよ。」
ふてくされながら店に戻った女店主に背を向けたままその人物は低い声で返事した。
「…一緒に居るのは金刺か?
何で連れて来た。」
「瑠華が先客だったから。
てか、音沙汰無しに図々しく人の敷地内に入ってきたアンタなんかに言われたくないんだけど。」
独特な雰囲気の店の中は酒と煙草の臭いで充満している。
よく知っている『男の臭い』も…
煩わしい臭いに眩暈がしそうになるのを堪える変わりに眉間に皺を寄せる。
先程出た表の『眩しい場所』の時よりも一層に深く_