_辛い事があったら思いっきり泣きゃあ良いじゃん、女の子なんだからさ。



ふと昔『馨』に言われた事を思い出し凪は足を止める。



「……先輩こそ…我慢しないで下さいよ、先輩だってれっきとした『女』の子なんだから…」





『馨』のあの時の笑顔と『香音』の今の哀願が交互に頭に浮かび、それでも自分じゃどうする事も出来ないのだと悟りながら只悔しそうに凪は『water town』へと重い足取りで歩を進めていった。