_体育館裏。



「御願い…!止めて下さい!!」




ドサッ




「…っ痛。」


「調子に乗んじゃねぇよ、オカマの分際で。」


どうやら悲鳴の主はその『オカマ』の様だ。


「少し顔が可愛いからって色目使ってんじゃないわよ。」

「しかも人の狙っている男にさ!」

「気色悪ー!」


少し派手な女子生徒グループ三人組は束になってその『オカマ』を罵倒する。


「べ、別に色気なんて使ってな…」

「じゃ証明してよ。」


一人の女が口を挟んだ。

「その下半身見せつけて『私は色目なんて使ってませ~ん』て言ってくれれば今回の件、チャラにしてあげる。」

「キャハハハハ!ナイスアイデアー!!!」

品の無い台詞と笑い声が容赦無くある筈のない胸に突き刺さる。

『オカマ』と呼ばれたその男は俯いたまま下にあるそれを必死で押さえた。


暑さの所為か、夕日の所為か、綺麗な顔は瞬く間に紅く染まる。