私は貴方に嘘をついています。
それは決して許されることではありません。
「最近のロボットって本当に人間みたいな外見で、口にする物も人間と同じ物らしいよ」
「そうなんだ」
「科学の進歩ってすごいものだなぁ」
「…そうだね」
貴方はびっくりするかな?
その今の科学の進歩の頂点の様に褒めるロボットが貴方の目の前にいることを知ったら。
何度も打ち明けようと思ったけど打ち明けられないこの事実を知ったら貴方はどう思うかな?
「もしも……」
「なに?」
「もしも…その人間に近いロボットと恋に落ちたらどう思う?」
いつも抱えていた言葉を口にした。
彼は、
「……君はどう思う?
ロボットと恋したら」
聞きたい答えを言ってくれず、真っ直ぐな目をして私に問いかけた。
「私は………ロボットでも諦められない。
だって大好きだから」
一緒にいたい。
だから、まだこの時間は…終わりにしないで。
「そっか…」
彼は温かい眼差しを私にくれた。
彼は知らない。
私がロボットだということを。
この先その事実を知った時、彼はどんな反応をし、どんな選択を選ぶのだろう。
今の私には分からない。
でも、真実知るまでは温かい眼差しを私に。
【彼が知らない真実】