「行けるに決まってんじゃん」

誓はニカッと、白い歯をみせた。私もそれに負けないよう、精一杯の笑顔をつくった。

「だよね。ここまで来たんだもんね」

「おしっ、地図書くかぁ。ユキエ、紙とペンくれ」

おばあちゃんの名前は、ユキエ、さんというらしい。ユキエさんは紙とペンを探しはじめる。

「はい、ハジメさん。紙ならあるんですが、ペンがありませんねぇ……」

「あの、ペンならありますよ!」

「本当か。ちょっと貸してくれないかね」

私はカバンの中から、ペンポーチからはみ出た5色ボール ペンを取り出した。淡い青色をしたボールペン。とても書きやすく、私のお気に入り。