「ご注文はなんだい?」

「きつねうどんと天ぷらうどんで」

「きつねうどんと天ぷらうどんね。ハジメさん、きつねと天ぷらぁ」

ハジメさん、と呼ばれた人は、あいよと元気な返事をした。

「ちょっと待っててねぇ」

「あ、はいっ」

私は笑ってみせると、おばあちゃんも目尻を下げ、微笑んでくれた。

「ここに来る人はほんと少なくてねぇ……。あなたたちみたいな若い子が来るとは、思わなかったよ」