「そうだったんだ……」

「うん」

ゆずきは、テンチョはすごいね、と褒めている。俺は、ゆずきには簡潔に話した。ゆずきの誕生日の日の出来事であることも、ゆずきのことが関係してることも、なにも言わなかった。

「公園ついたな」

「あ、ほんとだ!遊ぼ!」

無邪気に駆けていく。ゆずき、お前は覚えてるかな?……そりゃ、覚えてるだろうな。大事なものだったろうし。お前があのあと笑ってくれたから、俺はそばにいられるんだ。ありがとう。こんな最悪なことをした俺と、そばにいてくれて。

「まてってー!」

俺もゆずきのあとを追った。