「橋本くん。今すぐ学校に来なさい」

『えーなに?来て欲しいの?』

「迫田先生がとても困ってるからです」

『さこっちー?さこっちが困っても俺別に関係ないじゃん』

「このままじゃ卒業できないよ」

『もー。そんなに来て欲しいなら素直に言えばいいのに』

「……」



彼はアメリカンかなんかだと思う。日本語伝わらないし、誰にでも話しかけるし、テンションがおかしい。



「とりあえず、5限目には間に合うようにね」

『え、迎えに来てくれないの?』

「なんで、私が迎えに行かないといけないのよ」

『だって俺専属メイドじゃん。光栄でしょ?』

「光栄なわけあるか!」



つい勢いで電話を切ってしまった…。ちゃんと来るのだろうか。私は連絡先の一覧に戻った携帯の画面を見つめる。


まあ、お腹すいたしご飯でも食べよう。結局橋本くんが来なくて担任に何か言われたら、連絡はしましたからと言おう。