「で、まず何をすればいいんだっけ?」

「あんた黙ってなに聞いてたのよ…」



先生の説明が終わって、実験をする時間。橋本くんはあっけらかんとそう言ってきたから、私は肩を落とした。



「頭の中で歌歌ってたからねえ。で、いーんちょー今からどっか行かない?」

「バカじゃないの?」

「うるせーな。早くやろーぜ、で何をしたらいいんだよ」



いらいらしたように林田くんが言ったけれど、お前も分かってないんかい!とまたつっこみたくなる。


私がため息を吐いている間、明日美は「じゃあ私たちでやろーぜ」と言ってくれたから彼女はこう見えて頼りになる友達だ。



「分かった!!大体はいーんちょーたちに任せるから俺たちはガスバーナーつけるね!!」

「そうするか。で、どうやってるけるんだ?」

「なんかねー、ここを回してさー」

「うわ、なんかガスくせえ!!」

「お願いだからじっとしといて!!」



林田くんは見た目の柄の悪さ通り、バカだ。大体定期テストは最下位だ、という話を橋本くんにされた気がする。


うちの学校のテストの成績は全体的に公表はしない。本人だけに順位を通告する形だ。だから橋本くんの順位は知らないけど、良くはないだろう。


私の叫びに2人は仲良く「はーい」と返事をした。