「まあでも橋本のお守りして内申上がるならいいじゃん」
「それはそれでしょ…」
「あんたもそのかたっくるしさ無くしたら?隣の男あんなに自由よ?」
明日美が指差した橋本くんの周りには女子。女の子たちは橋本くんにお菓子など餌付けしていて、それは楽しそうだ。
「あんなやつと同じようになったら、私が私じゃなくなる」
「サブリミナルみたいな?」
「いや…それは違う」
「アルツハイマーみたいな?」
「違う」
「インスピレーションみたいな?」
「訳わかんないわよ!うるさいな!」
「ひょー!こえー」
私が机を叩いて立ち上がると、またも橋本くんは爆笑。女子たちは怪訝な目で私を見てくる。
「まあ、どんまいね」
明日美は私の肩をたたいて、哀れんだ目で見て来た。屈辱である。
でもこれが私の異常な日常であり。
この男にとって、それが普通なのだ。