自己中にハチミツをかけた男
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(A man who honey honey on his own self)
今日の放課後も私は誰も書かない学級日誌をしたためる。これは日直の仕事なのになんで誰も書いてくれないのだろうか。
きっとそれは私が書いてしまうせい。というか、担任の先生もこの日誌を読まない。けれど私は書く。だって本来書かなきゃいけないものを書かないというのは、私のポリシーに反するからだ。
「今日の5限は…数学II…」
そう呟きながら丁寧に時間割を書いていく。
私が愛用しているのはクルトガの0.3ミリ。0.5ミリより0.3ミリの方が書き味が好きだ。
カリカリと誰もいない教室に私がシャーペンを走らせる音が響く。静かな放課後だ。夏休みも終わり、残暑が残るこの季節の風はなんとなく涼しくて心地よい。
私は伸びている髪の毛を耳にかける。そして『ひとこと』を何書こう、とシャーペンの頭を顎につけると、
「りっくううん♡」
「待って~~」
なんて数人の女子の甘ったるい声が聞こえてくる。げ、私の体は一気に強張って、手からはシャーペンが落ちた。