「ちゃんと話し合ってきなよ。奈帆ちゃんなら大丈夫。言いたいこと全部伝えておいで」
子供をあやすように、また泣き出したわたしの頭を小林先輩は優しく撫でてくれた。
「でも、わたし藤くんに振られてるんです。それに今、藤くんには好きな人がいるし……」
「振られたことあるの?え、理由は…?」
「えっと、迷惑って言われました」
小林先輩は驚いた顔をして
「意外だ……。ほんと、奈帆ちゃんの前だとキャラ違うんだね。きっと理由があるはずだから深く聞いてみるといいよ。ちょうど来たしね」
小林先輩は公園の入り口を見ながらそう言った。
わたしも入り口の方を見ると、そこには膝に手を置いて肩を揺らしながら呼吸をしている藤くんの姿があった。