「夏休み前……?」
「うん。駅で見かけたんだ。藤くんのことは知ってて、隣に女の子がいることにビックリした。だって、優しくて有名の彼が毒吐いてたからね」
小林先輩が言ってる夏休み前は多分、藤くんと2人でショッピングモールに行った日のことかな。
確かにあの日は朝から寝坊して怒られっぱなしだったけど…まさかそれを先輩に見られてたとは……。
「藤くんといる時の奈帆ちゃんが可愛くて、コロコロ表情が変わってた。まじ、俺ストーカーだわ。ごめんね。とりあえず何が言いたいかというと、奈帆ちゃんが藤くんのことを思って泣いてる今も俺はすごい可愛いと思う」
小林先輩に視線を向けると目が合って、微笑んでくれた。