「あの…、すいませんでした」

公園に来るまでに落ち着きを取り戻したわたしは、小林先輩に泣きついたことに恥ずかしくなり、謝罪を繰り返した。


「俺は大丈夫だけど、奈帆ちゃんは大丈夫?藤くんが……って言ってたけど」

「大丈夫じゃないんですけど…、大丈夫です」

「そっか。うん、そうか。奈帆ちゃん、これあげる」


先輩はペットボトルのジュースを渡してくれて、飲むように言ってくれた。


こんなところまでも優しい……。


「俺さ、奈帆ちゃんのこと知ってたじゃん」

わたしと人一人分あけてベンチに座っている先輩が話し始めた。


「夏休み前に藤くんといる所見かけたんだよね」