最悪だ、本当に最悪。


いくら好きな人だからって、気持ちのないキスは嫌だ。


「……奈帆ちゃん?」

「小林…っ、先輩…」

「え、ど、どうしたの!?なんで泣いてるの?」


小林先輩はずっと待っててくれてた。


「うっ…ふじ…くんがっ」

「え、藤くんが?とりあえず、人がいるから場所移動しよ、ね?」


泣いてるわたしの手を優しく引いてくれて、学校近くの公園に連れてきてくれた。