状況が全く理解出来なくて、

「っ!!」

ドンっと思い切り藤くんの胸を叩いて彼と距離を作る。


「な、何するの!」

「ムカついたから」

「意味わかんない!ムカついたからってこんなことしていいの!?藤くん、好きな人いるんだよね?その人に嫌われてるからって……わたしにこんなことしないでよ!」

最低だ。好きな人がいるくせに。


自分で一途だって言ってたくせに。


「…大っ嫌い」

藤くんを一人教室に残して、自分の教室に戻って荷物を持って


「急用で来たから帰るね!」

「おい、桃里!?」

時田くんの声を背に教室を飛び出した。