「藤くんが…従姉さんと一緒にいる所見たことあって仲良さそうだったから従姉であんなに仲良くなれるんだって思って驚いただけ」

「ほんとに?」

「ほんと!小林先輩待たせてるんだよ。だから……」

「次その人の名前出したら口塞ぐぞ」

わたしの言葉に被せるように発せられた藤くんの言葉の意味が分からなくて


「え、小林先輩……」

名前を出してしまった。


「……忠告したのに、知らない」


そう言って藤くんはわたしとの距離を縮め、


「———っ」

腕を引いて、わたしの唇に自分のそれを重ねた。