わたし以外の女子2人は藤くんの恋バナに興味津々。
みんな手を止めて話をしている。
あと、掃き掃除して机運んでゴミ捨てに行かないといけないんだけど……。
「大石さんにも告白されてたよな?」
「なんで知ってんの……」
「だって大石さんだぞ?噂になるに決まってる!」
時田くんの言う大石さんとは、わたし達の学年で一番可愛いって言われてる女の子。
女の子版の藤くんのようなモテ様だ。
そんな人にも告白されてたんだ……。
「付き合いたいって思わねーの?」
「……俺は、好きな人としか付き合いたいって思わないかな。確かに大石さんは可愛いって言われてるかもしれないけど、俺はあの子の方がかわいいと思う」
一瞬、藤くんと目が合った気がした。
でも、すぐ逸らされて、本当に目が合ったのかどうか定かじゃない。
「あの子って誰!?この学校!?」
「それは秘密」
ズキっと傷んだ胸に気付かないフリをした。