「奈帆ちゃんの恋バナ聞きた~い」
“聞きた~い”じゃないよ!
2人の女の子も掃除する手を止めて、時田くんと3人で勝手にわたしの恋バナを聞く準備を始める。
いやいや、話せる恋バナなんてあるわけないから。
小林先輩とは本当に何もないし、わたしの好きな人は目の前にいる藤くんだ。
「正直、告白されたらOKするでしょ?」
チャラい感じで時田くんが聞いてきて、ため息しか出ない。
「付き合わないよ」
「なんで?好きな人いるの?」
「わたしの恋バナなんてどうでもいいから。掃除早く終わらせて帰ろうよ」
「えー、聞いてみたい。柊真も気になるよな?」
と、時田くん!??
誰に聞いてくれちゃってんのさ!
一番話を振っちゃいけない相手だよ!