忘れることばっかり考えて、藤くんと関わらなければ気持ちは薄れてくれると思ってた。


自分の気持ちに蓋をすることだけしか考えてなくて“大切にする”なんてこと考えてなかった。


「柊真くんを好きになったこと、後悔してないんでしょ?奈帆が後悔してるのは、柊真くんに言った言葉!なら、その言葉をちゃんと撤回しないと!」

「うん……。ありがとう、愛子」


わたしはこれから何度も愛子に助けてもらうことになるんだろうなって、ふと思った。


「お礼にアップルパイ買ってくれてもいいよ」

「調子いいんだから」


でも、ありがとうね。