バチィ!


…?

私、生きてる…?

恐る恐る顔を上げると、そこには心底面白そうに…しかし、冷たく笑う藍原がいた。


「は…覚醒したか」


「か…覚醒…?」


「超能力って知ってるか?」


超能力。

それはどんな人間でも使える潜在能力。

訓練をすれば誰にでも使えるようになるが、それを覚醒させるのはとても難しい。


「俺はね…小さい頃、家に包丁を持った泥棒が入ったんだ。それで首を刺されかけた時に…思い出して、超能力が覚醒したんだ」


全身に大火傷を負った泥棒はライターなども持っていたため、彼がいくら『子供に火をつけられた』と言っても誰も信じなかったらしい。


「人は死にかけている時に超能力が覚醒することが多いみたいなんだ。俺はあの時。君は今」


藍原はそう言って、声を上げて笑った。


「素晴らしい!この俺が、君の超能力を覚醒させた!君は…俺のものだ」


彼はそう言い、屋上から出て行った。