祐希が倒れて、テストは全く集中できなかった。

今日のテストは3時間。

とても長く感じたテストは終わり、ホームルームが始まってもいないのに教室を飛び出して保健室に向かった。


ガラッ…


扉を開けると、目の前に祐希がいた。


「祐希!」


「美羽…どうしてここに」


「心配だったから…目覚めてよかった。もう頭痛くない?」


「あ、うん…」


「そっか…ならよかった…」


ほっとしてしゃがみこむと、祐希に腕をつかまれた。


「どうしたの?」


「ちょっと…話したいことがある。いい?」


「いいよ。あ、でもホームルームが…」


「あー…無理?」


普段滅多にこんな無茶なことは言わない祐希が、今日は真剣に無茶なことを言ってくる。その様子が何か重大なことがあるような気がして、私はそのまま祐希について行くことにした。