「聖宮…さんであってる?」


悴む手を吐く息で温めている後ろから

聞こえる声に、胸は大きく鳴る


「はいっ、聖宮 優愛です」


「ちょっと、行こうか。」


そう私の手を引きながら歩き出す


「へっ?えっ、受験…。」


なんて私の声も虚しく

スタスタと歩いてゆく