「―どうした?」

「瀬戸くん……!」


その様子を遠くからいつまでも見つめていたら

二者面談を終えた瀬戸くんが職員室から戻ってきた。


そしてわたしが見ていたものに気づいたのか、とたんにこっちに視線を向ける。


「……なに? まさか泳ぎたいの?この寒い時期に」

「! えっ、あ、あの……」

「はは、冗談だよ」


そう言って、わざと冗談っぽく笑った瀬戸くんを前に

わたしは今さら本音を打ち明けられなくて……。


考えていることを見抜かれてしまわぬよう、今はただ表情を隠した。