時が過ぎるのはあっという間で

季節はもうすっかり本格的な“冬”


何度も洩らしたため息はそのたびに白く形を変えながら

つめたい真冬の空に向かってフワフワと舞い上がり……


その様子をしばらくぼんやりと見つめながらわたしはふと思う。


去年までは水泳の授業が憂うつで、夏なんて来なければいいのにと

そんな事ばかり考えて、自己嫌悪に悩む毎日だったけれど。


今ではそんな夏が恋しく、待ち遠しくて――。




夏が姿を消して……もう半年。

街はすっかり冬へと色を変えてしまったけれど。


それでも目を閉じると思い出し、わたしの心にまぶしく映るのは


今も色あせることのない……夏の水泳指導。