“どうして?…そんなの決まってんじゃん”


“桐谷が、好きだからだよ”


そういえば瀬戸くんは、いつからわたしのこと、好きになってくれたんだろう?


…どうしてわたしなんかを、好きになってくれたんだろう?


いつから?

どこで?

何をきっかけに?


ネガティブなわたしの疑問は、思い立ったらきりがなくて


ついまた考えこんで、立ち止まっていたら

突然辺りが大きな歓声と、たくさんのまばゆいライトで埋めつくされた。


「あ…」


だけどそのとき。


イルミネーションの明かりが、いっせいにライトアップされたかと思うと

突然瀬戸くんの顔が近づいてきて、何も見えなくなった。


ビックリして目を開けたら

わたしの視界は、瀬戸くんでいっぱいになっていて。


大勢の人たちが街のイルミネーションに気を取られている隙に


瀬戸くんとわたしは誰にも言えない、ナイショのキスをした。